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ぴったり合う入れ歯を作る方法
型取りの実際〜大切な2つのポイント〜

Experience Based

  • 執筆者: 大滝絵梨花
  • 2020/05/27
  • 記事区分:非会員/無料

記事の長さ:1736文字

ぴったり合う総入れ歯を作るために、診査から治療の実際までをシリーズで解説しています。

第一回目の前回は診断についてお話ししましたが、今回はその診断結果をもとに行う、入れ歯(義歯)の型取り(印象)についてをお話ししたいと思います。

入れ歯の製作概念は様々ありますように、型取りの方法においても様々あります。ただしどの印象方法でも共通して言える大切な事はまずは解剖学的ランドマークをきちんと押さえた印象をとるという事ではないでしょうか。

そのため今回はまず以下の2点に絞ってお話ししたいと思います。

①解剖学的なランドマークを押さえた印象をとるためには?

②下顎の精密な印象方法について。(特に困難さを要する下の義歯の精密な印象に焦点を当てます。)

(※印象方法、製作概念としては口腔可動粘膜による義歯床全周囲の封鎖を目的とした吸着テクニックによる手法によるものでお話ししたいと思います。)

①解剖学的なランドマークを押さえるためには?

1)ランドマークを知る

入れ歯において外れない、浮きあがってこないようにするためには義歯の床の部分が覆われるべき部分を確実に覆っている必要があります。そのため、覆う必要がある部分、そのランドマークが口腔内のどこの部分に位置しているのかをまずは知ることが必要です。概形印象(最初に取る大まかな型取り)で取った模型上で確認していきたいと思います。

 

入れ歯の型取りのポイント

 

 

2)精密な型取りをする各個トレーのデザインを知る

ランドマークをきちんと認識した後は、そのランドマークを目安にしたトレーデザインを行う必要があります。トレーというのは型取りをするために使う道具です。口腔内の形はみんなそれぞれ違うためその口腔内に合わせた専用のトレーが必要となります。

(ここでは冒頭でお伝えしたように吸着に基づいたトレーの製作方法となります。)

トレーのデザインで印象は決まると言っても過言ではないように、取りたい部分が取れるトレーの形になっていることが非常に大切です。トレーがそのデザインになっていなければいくら上手に印象を取ったとしてもランドマークがきちんと覆われた印象が取れず、いい義歯は作製できません。

 

入れ歯の型取りで気をつけること

 

 

②下顎の精密印象方法について

トレーのデザインが出来上がったら印象となりますが、今回お話ししますのは、義歯床全周囲の封鎖を目的とした吸着テクニックで行う場合の閉口機能印象法になります。(印象材など細かい話は省略しています。)

なぜこの閉口機能印象がいいのかというと、下の義歯が外れにくくなる印象方法だからです。

下顎義歯が外れやすい、浮いてくる原因となるのは、レトロモラーパッド部における義歯床の適合だったり、舌の位置だったり‥。つまりどこからか隙間ができ陰圧状態が壊れて外れてくるわけです。そのため義歯床全周囲が封鎖され陰圧状態が得られることが望ましいのです。その陰圧状態を作り、適合がよくなる印象を取るためには、この閉口機能印象が適しているということです。

その名の通り閉口機能印象というのは口が閉じた状態=陰圧が作られた状態で、機能=患者さんに機能して動かしてもらった状態で印象を取るというものです。

ではその患者さんに行ってもらう閉口機能印象時に行う5つの動きを下に示します。

 

1)閉口機能印象時に行う5つの動き

入れ歯の型取り、患者さんの動き

 

 

このようなたった5つの動きをしてもらうだけです。

ただしとてもシンプルな動きではありますが一つ一つの動きは非常に考えられた動きとなっています。

 

2)実際にこの印象方法で製作し吸着を得ることができた義歯の動画

 

 

今回は細かい内容は省き大きなポイントのみに絞ってお話ししましたが特に外れやすく頭を悩ませる下顎の義歯の印象方法についてお話ししました。

とにかく一番大切なポイントは印象を取るためのトレーのデザインとその印象の取り方を患者さん主導で行う、5つの動きを取り入れるということです。

今回はここまでとなります。最後まで読んで頂きありがとうございました!

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