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口腔内光学スキャナー(IOS)について

Experience Based

  • 執筆者: 安藤智也
  • 2020/04/03
  • 記事区分:非会員/無料

記事の長さ:1383文字

昨今、歯科医療の世界にもデジタル化の波が押し寄せているのはもはや承知事と思います。すでに光学印象を臨床に取り入れられている先生方も多いのではないでしょうか?今回は口腔内光学スキャナー(  Intra Oral Scanner)についてのコラムです。

光学印象のこれまで


口腔内における光学印象の先駆者と言えば、シロナ社(現在はデンツプラシロナ)のセレックシステムでしょう。光学印象の先駆けとして1987年に初めて実用化されて以来、チェアサイドミリングマシンを組み合わせたOneDayトリートメントシステムであり、世界中でユーザーが最も多いCAD/CAMシステムでしょう。私も2009年からセレックACを導入していましたので、10年以上臨床で使用しています。

 現在は、多くのメーカーから口腔内スキャナーと対応するミリングマシンが発売され、2年に一回ドイツのケルンで行われる国際デンタルショー(IDS)では、デジタルに関する展示が多くを占めています。

 私も昨年デンツプライシロナから発売されたPrimeScanを導入しましたが、院内技工士がいない事を考慮して口腔内スキャナーのみ購入しました。当然ですが、最新の機種ほど最速で高精度なのは言うまでもありません。全顎のスキャンに関しては今までで最もストレスがない上、スピードも速いので、ワンド(口腔内に入るカメラ部分)が従来の機種に比べて大きいにも関わらず小児の口腔内もストレスなくスキャンできるため、デジタル印象として成長期からの3次元データを保存出来るのではないか?と考えています。

 

光学印象のこれから


今後、日本では光学印象の保険適用も視野に入って来ており、導入を考えている先生も多くいらっしゃると思います。私も「いつ導入すればいいですか?」との質問を多く頂きます。これはiPhoneをいつ買い替えますか?と同じようにその人その人によって違います。

 

具体的には、先生ご自身で即時修復したいのか?院内ラボのある無し、スキャンだけで補綴物は外注するのか?インプラントの設計にも使用しCTにも連動させたいのか?などなど個々の条件によってタイミングや機種は異なります、一つだけ言えることはいつ買ったらいいかわからないうちは買わなくてもいいという事です。

 とは言えスマートホンからガラケーに戻れないように、一度光学印象で印象を採り始めると患者・術者双方にとって非常に有益な部分があるのも事実です。嘔吐反射の苦痛から解放され、再印象のリスクもほぼないのですから。

しかしながら、 今現在、IOSの臨床応用に関しては印象範囲の拡大の必要性、更なる精度及びスキャンスピードの向上、ソフトウェアーの発展など過渡期の部分が多く、未だに従来の治療を全てデジタルで置き換えられるわけではありません。

しかしながらデジタルと従来通りの印象・補綴治療を対比させる考え方ではなく、これまでの考え方を重視する中でデジタルを活用していく方が良い様に思います。

今後の展望


IOSの応用によるう蝕検知やシェード採得、患者固有のデジタルアーティキュレーター、ビックデータ解析による統計調査等、更なる発展が期待されますが、たとえデジタルデンティストリーによって術者・患者双方にとって簡便に治療を進める事ができる様になっても従来からあるしっかりとした診断や技術の上で応用していく必要があると感じています。

 

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